空ヲ刻ム者
―若き仏師の物語―
- 脚本が理屈っぽすぎ.主人公の悩みがわかりづらく,どうしてその結果としての行動が出てくるのか理解しづらい.左翼的な民衆観でストーリーが進んでいたのが,いつの間にかそれがどこかにいってしまった.あらら,民の苦労は未解決のまま.
- 各幕に一人づつ主人公に抱かれて死んでいくのは,かなりくどいのではないかと.
- 大道具,照明,スモークなどは面白く見られた.九龍の屋敷で,背景の2体の大きな仏像のセットは秀逸.
- セリやスッポンの多用も面白く見られた.
- 劇伴が録音で,残念.自分が劇場に魅力を感じていた大きな理由が,生の下座音楽を聞くことにあったということがあらためてわかった.
- 席は2階の最前列,宙乗りが近寄ってくると,観客は大興奮.