2012年12月31日

石川県立音楽堂コンサートホール

カウントダウン・コンサート2012-2013
2012年12月31日(月)~2013年1月1日(火・祝)
午後9時開演

ソプラノ:鮫島 有美子
ヴァイオリン:吉田 恭子
ピアノ:仲道 郁代
津軽三味線:一川 明宏、明宏会
金沢芸妓:主計町芸妓 ひな、こと乃、笑弥、桃太郎
指揮:鈴木 織衛
ゲスト:有村 架純(映画リトル・マエストラ主演女優)
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢特別大編成
バレエ:中村祐子モダンバレエアカデミー
司会:長田 哲也、戸丸 彰子


遠征してきました。

いやあ、なかなか長かった。
9時開演で、前半1時間45分、30分休憩の後で、さらに1時間45分。コンサートを、ほぼ二回聞いたも同然だった。

飲み物は樽酒も含めて、各種アルコールも飲み放題のフリードリンク。軽食も、蕎麦、サンドイッチ、寿司などからどれか選択。

順番に記載する気力もないので、以下は順不同ということで。

  • ホールは1500席くらいのシューボックスで、なかなか素直によく響いていた。2階席だったが、そんなに遠い気はしなかった。

  • このオーケストラを初めて聞いたが、弦の音にびっくりした。アマプロ取り混ぜていろいろ最近聞いてきたが、このような弦の音は聞いたことがない。とても美しく純粋に感じた。その一方で、木管がかなり埋没気味で、ちょっと寂しかった。ソロではまあまあ聞こえてくる時もあるのだが、tuttiの時にはいくら耳を澄ませても聞こえない。残念。逆に金管は抑え目でいい感じにブレンド。

  • 開演前や、休憩時間にはパイプオルガンの生演奏。BGMとなってしまっている。なんと贅沢な。

  • 津軽三味線とオーケストラトラの共演には、なかなか感心した。何か異様な迫力を感じた。

  • 芸妓の踊りは、テープ伴奏で残念であった。特に前半のテープはノイズがひどい。このあたりの無造作さは良くないと感じた。背景転換はなかなかスムーズでよかったけどね。

  • 実は最近の歌舞伎通いのひとつの理由は、生の邦楽演奏の魅力ということもある。楽器の音の録音の質向上という点では、テレビの歌舞伎放送でも、そんなに真面目にとりくんでいない気がしてならない。セリフが聞こえればいいってものでもないだろう。

  • 残響の豊富なホールでの長唄とか、謡曲とか、雅楽など、邦楽を音楽として楽しむのは今後のテーマとして、(機会はかなり少ないが)今後は頑張ってチェックして行きたいと思っている。

  • 岩崎宏美の歌は、今回のメインにふさわしく圧巻であった。うまいし、生オケでさらにはえていた。本人は当然PA使用だが。由紀さおり「よき後継者を得た。」(嘘)

  • プロジェクターで、いろいろな映像やプロモーションビデオが流れたが、投影されていた画質、特にコントラストが今の基準では低いと思った。眠い。要更新だろう。

  • あと、主催新聞社の宣伝多すぎ。金沢持ち上げも、くどいとちょっと鬱陶しいところも。

  • まあ全体的には、いろいろ楽しめた。遠征ってのもたまにはいいね。

  • 早くも来年の大みそかのコンサートについていろいろ夢想中。

  • オーケストラアンサンブル金沢は、どこかでもう一回聞いて見なければ。

2012年12月23日

三鷹市芸術文化センター 風のホール

第39回三鷹市市民コンサート
三鷹市管弦楽団

小ぶりのシューボックス。2階席で聞いた。府中のウイーンホールと似たような大きさだが、こちらの方が断然響いている。

開演前のざわめきだが、20分前の入場時には5分の入りで相当響いていたが、開演直前にはほぼ満員となり、この時点での残響はかなり減っていた。冬の寒いときでもあり、お客が入るにつれて吸音効果が増していくのがよーくわかった。

演奏の方は3曲で、それぞれ木管の主席が交代しているようで、それによってオーケストラの印象がかわって聞こえて、おもしろかった。

これでもっと駅が近かったらよかったのにとは思ったが、三鷹通りにはバスがたくさん走っているみたいなので、次回からは徒歩はやめてバスにしよう。

ちなみ太宰治や森鴎外の眠る禅林寺もこのホールのすぐ近くである。

ことしのホール訪問はこれで最後……ではない。もう一回残っている。

2012年12月21日

東京文化会館 小ホール

プラチナ・ソワレ第3夜 
ヴァイオリン:堀米ゆず子 チェロ:山崎伸子 ピアノ:津田裕也


上野は小ホールからということで、今夜のコンサートに。

築50年くらいで年季を感じる建築で、この時代にはこういうコンクリート打ちっぱなしが多かった。西の方では、京都の国際会議場に似たテイストを感じる。

小ホールへのアプローチや、中に入ってから左手にまわった通路から、大ホールのホワイエや、レストラン内部が見渡せて、面白かった。また、小ホール自体の配置も、ステージが普通とは逆にもぎり場所近くになる。また、同時にホール全体が廻廊で囲まれていて、そこを一周するのもなかなか楽しく、窓からの景色も楽しめて、よく考えらている建築設計だと思った。

ホールの残響は強くはないが確実にあり、同時に細かい音がわかりやすい。今夜のような室内楽にピッタリとしたものである感が深い。この小ホールの評判がいいのも頷ける。

演奏は緻密なアンサンブルが楽しめた。緻密すぎて、トリオの第一楽章が、自律神経刺激しまくりで、やや辛かった。シューマンの曲想の緊張感がビシビシ伝わってくる気がしたので…アンコールにビオラが加わったのは、ちょっとしたサプライズ。

個人的な室内楽用の小ホールの巡礼はまだまだ進んでいないが、ここが今後のスタンダードとなるのであろうと思う。このホールを消化したうえで、さらに優れた音響設計をおこなったホールに、いつか出会えることだろうと思う。


2012年12月19日

新橋演舞場

十二月大歌舞伎 昼の部
通し狂言 御摂勧進帳

歌舞伎が続くが、演目に特に関心があったので。3階席。ここから見るのは初めてであった。さすがに遠い。けど、役者の声はよく聞こえた。さすがプロ。

演目は、江戸時代の歌舞伎、なかでも顔見世興行の雰囲気を味あわせてくれるもので、楽しいものであった。

2012年12月15日

所沢ミューズ アークホール

東京経済大学管弦楽団 第54回定期演奏会


コンサートホールにはまってしまった一つの理由は、前回ここに来た時の衝撃であった。今まで聞いたことの無いホール音響効果で、こんなオーケストラの響きが聞けることに感激した。

今回は2回目だが、曲目のサンサーンスのオルガン交響曲が前回とかぶっている。例によって2階より上は立ち入り禁止ということで、1階席後方に座る。

残響が良く、今日は弦がとりわけ美しく聞こえる気がする。また、オーケストラの最強奏でも音が濁らず、この点ではオペラシティのリサイタルホールにはっきり優っていると思う。

良くない点は、

  • 都心から遠い。
  • 駅から遠い。
  • コンサートがあまり多くない。
  • チケットがイープラスにあまり出ていない。

といったところか。ヨシモトのお笑いの公演までやっているようで、まあ、すごいといえばすごい。どんな景色か見てみたい気もちょっとある。

まあ休日なら、沿線にいい蕎麦屋を見つけたこともあり、昼食をとってからマチネーというなかなか優雅なパターンを確立できるかも。ということで、チケットカウンターによって次回のチケットを確保して帰って来た。次回は2階席に挑戦。

2012年12月14日

府中の森芸術劇場 ウィーンホール

桐朋学園チェロアンサンブル


シューボックスということで楽しみにしていた府中のウィーンホール。2階席ななしで、平土間のみ。予想に反して、中に入ってもそんなにわんわんと響いていない。意外だ。側面壁を見ると列柱状になって、その間の壁はアールになって、その上デコボコしている。ほぼ並行面なし。そのせいだろうか。椅子の背もたれの部分もほぼ全面クッションにおおわれている。

演奏を聞いても、シューボックス的な(と勝手に思っている)音の増幅効果が弱い感じである。初期反射音が来ていないのではないか。残響は多くはないがきれいに消えていく気がする。

その結果、チェロ24+バスドラム1+シンバル1による【禿山の一夜】でも、それほどの音圧感がなく、ちょっと寂しい。この曲はやはりもっと鳴らしもいいのではと思った。

つぎの【弦楽セレナード】が圧巻のチェロ42名編成で、ようやくたっぷりとした音圧感に。やはり、これくらいの音量がなくては。

前半の、ヴェルナー・トマス-ミフネのビッグトレイン(曲も作曲家も知らなかった。パンフレットもろくに読んでいな。)では出だしの音にびっくり。この時点では曲名も把握していない。だんだん列車が動き出していることがわかって来て、描写音楽だとわかり、曲名を再確認。シュシュポッポ走って来て、つぎの駅に停車して終曲。クラフトワークのTEEや、スーパーベルズの電車DJなどと合わせて鉄道音楽と命名されるべき?。タモリ倶楽部のネタになりそうな曲だった。

この近辺のシューボックスには、

  • ウィーンホール 1階のみ 522席
  • 杉並公会堂  1階 778席 2階 406席
  • 三鷹市芸術文化センター 風のホール 1階 440席 2階 185席

などがある。

風のホールは未訪問だが、近々いく予定。ウィーンホールとほぼ同規模なので比較が楽しみである。

2012年12月10日

オペラシティ コンサートホール

国立音楽大学 第118回オーケストラ定期演奏会


相対的に職場から近いので、オペラシティは通いやすい。

比較的空いていて自由席だったので、休憩前と休憩後の席を替えてみることにした。席は1-3階のすべてが解放されていた。

休憩前は2階サイドのかなり前の方に。ほぼオーケストラの真横から見ていることになる。当然ながら、並行な側面壁によるシューボックスの効果はほとんどなく、原音がかなりはっきり伝わってくる。弓の擦れる音がよく聞こえる。なかなか迫力があるのだが、オーケストラの半分近くが見えないし、見えない辺りは音も影になって比較的弱まっている。手すりもやはり邪魔で、隙間から指揮者、フルート、ティンパニのセンターラインを覗く姿勢で固まってしまった。

休憩後は初めての3階席で、正面に。見た目でも思ったほど遠くは感じないし、音はけっこう近く感ずる。3階席から見ると、あんなに高く見えた天井がけっこう近く見えたのがおもしろかった。オーボエやフルートなどは、サイドよりもよく聞こえてくる。オーケストラ全体がよく見渡せてなかなかいい感じ。指定の場合でも安めの席になるだろうし、今後はここに決まりかとも思ったが、最強奏で弱点があらわれた。やはり音が混濁した感じがある。サイドではこんな感じは無い。なにより視覚的にも聴覚的にも音源がかなり広がっているので。

シューボックスの弱点になるのかどうか、今後見極めて行きたい。まあ、なかなかすべての点でいい席はないものかも。

先週に引き続き、音大のオーケストラを聞いたが、さすがに単なるアマオケよりはうまいものですね。今日は、観客も若い人が多かった。

2012年12月9日

すみだトリフォニーホール 大ホール


墨田区交響楽団 第57回定期演奏会

今まで食べたことがなかったので、まず【かんだやぶそば】に行って見ることにした。11時35分頃着。11時半に開店らしいので、まだすいてるだろうと思って行くと、すでに席は八割がた埋まっていた。なんと。

休日のせいかお銚子や、ビールがどんどんでていくのを横目でみながら、温かい蕎麦を一杯だけ食べてさっさと退出。帰りの頃には店外にまで行列ができていた。ついでに、近所の【まつや】の外観を見物して蕎麦の聖地巡り?を終える。こちらの方は、今日は定休日で静まりかえっている。

それから、10年ほどぶりに、秋葉原を散歩した。駅周辺などその変わりぶりに驚いたが、意外とパーツ屋さんとか計測器屋さんとかあるところにはあった。

さて、さらに移動して錦糸町。スカイツリーも結構近い。

トリフォニーホールもはじめて。なかなかシックな内装である。音の響きは良好そうであるが、古典派の小編成+大きなホール+満席に近い集客+冬の着ぶくれ+2階席という組み合わせのせいか、いまいち音量不足感を感じる。1階席の前方を目指すべきだったか。

ここでは、もっと大編成でがんがん鳴らすオーケストラを聞いてみたくなった。

本日の下町観光の締めとして、帰りのお土産に亀戸天神船橋屋の【くず餅】を錦糸町駅で買って帰る。船橋屋は1805年創業だそうで、今日聞いたベートーベンの交響曲第4番が完成した1807年と妙に近い。

錦糸町からのスカイツリー全景


2012年12月5日

東京芸術劇場 コンサートホール


第3回 音楽大学オーケストラ・フェスティバル
ブラームス/交響曲第4番 (桐朋学園大学)
マーラー/交響曲第1番(東京音楽大学)

改修前、改修後を通してはじめての訪問である。大きな交響曲2曲ということで、体調と気合いを整えて会場に向かう。

イープラスで座席の選択にかなり迷ったのだが、結局1階席の高い所にした。結構ステージが大きく見える。

開演直後は、すごく暑かった。ブラームスの第二楽章が終わった頃にようやくまともな室温になった気がする。それで頭がぼんやりしていたことに加えて、木管楽器や金管楽器が全然音がこないのでびっくりした。耳がおかしくなったかと思った。残響(遅い響きの部分)は十分あるのだが、初期の一次や二次の反射音がかなり弱いのではないだろうか。楽器の音がこのせいで増強されずに、小さくしかきこえない。普通、金管楽器がちょっと音量をあげるとうるさく感じるのだが、(うるさい直前あたりで音圧やパワーを体感できてもっとも気持ちがいい)、ここでは遠く違う世界でなっているようである。距離は結構近いのに、まるで隣の部屋のステレオを聞いているみたい。あまりこのホールの評判がよろしくない理由がわかった。

休憩後のマーラーでは、うって変わって木管金管がよく聞こえ、バランスがかなり改善されている。このように違うオーケストラを聞き比べられるのは、この企画の贅沢なところである。さらに、音量をかせぐためにか要所で、木管楽器を大きく持ち上げて演奏したり、フィナーレでホルンパート全員が立ち上がっていたりしていた。別に【のだめ】の影響なんかではなく、純粋に音響効果のためだろうと推測。

個人的にマーラーを演奏会で聞くのはほぼ20年ぶりであった。前回は名古屋のアマオケで聞いて、都会ではアマオケがマーラーを演奏するということを知って驚いた記憶がよみがえった。

ふたつのオーケストラでこれだけ聞こえかたが違うのは、指揮者の指導の差が一番大きな要因であるに違いないと考えつつ帰宅した。ところが…

帰ってパンフレットをよく読むと、東京音楽大学のオーケストラは、定期をいつも東京芸術劇場でやっているようだ。ホームの地の利を生かした勝利だったのか。

2012年12月1日

文京シビックホール 大ホール

成蹊大学管弦楽団 第43回定期演奏会

ホールに入って驚いた。

府中のどりーむホールにそっくりなのである。

座席表 websiteより引用

全体の形状、側面壁の段差のつけ方、はては2階席のサイドのでっぱりまでよく似ている。

ところが、こちらのホールの方が断然よく響くのである。残響も多いし、おそらく初期反射音の影響で、それぞれの楽器の音が前に出てくる。2階席だったのだが、どりーむホールで感じた音量の不足感や、低音域のものたりなさはまったく無い。

両者でおおきく異なるのは壁の仕上げで、こちらは木の仕上げとなっている。それだけが響く理由なんだろうか?

ここはひとつ実験のため、どりーむホールの内装の全面改装を府中市にお願いしたいところだ。お金あるんだろうし。

椅子が変な形で座りにくいのは、ネットで噂になっている通り。惜しい。